ひろしゃま

引き継ぎ引き継がれるもの

ひろしゃまvol.3-1

引き継ぎ引き継がれるもの

お話をしていただいたのは

安芸太田 小さな清き流れが、大きな壁を削る力になる 自然と笑顔が共存するスペースがここにある。

広島県の西北に位置する山県郡安芸太田町で、自分たちの意思による大きな渦が起ころうとしている。いやすでに起こっているかもしれない。

井仁の地域おこし協力隊

安芸太田町は、世間一般でいう中山間地域三段峡に代表される自然豊かな町である。また、日本棚田百選にも選ばれた井仁の棚田をご存知の方も多いのではないだろうか。
 そこで一人の地域おこし協力隊が現在奮闘している。友松裕希さん、愛称はトーマス。彼は井仁の棚田に密着して、なおかつ、そこに根を下ろそうとしている。彼は、井仁にとって二代目の地域おこし協力隊に当たる。前任の取り組みを引き継ぎ、ホームページなどで四季折々の情報を伝えたり、大学生に棚田での暮らしを体験してもらうための段取りなどを行ったりしている。
 トーマスは様々なフォーラムなどに積極的に参加して、外からの情報を巧みに取り入れて地域に生かそうと日々努力している。前任者が行った外部との連携をさらに広げ、より強固なものにしようと、まさに必死になって取り組んでいる最中なのである。

地域のひとりになるために

 彼は赴任当初、その地域の人の名前と顔をすべて一致させることから始めたそうで、今ではすべての人の名前を覚えて地域に溶け込みつつあるそうだ。しかし今は井仁に通っている状態で、大雪などで井仁に赴くことができない時もある。「もしこの地区に住んでいたのなら、雪かきや家庭訪問などして、もっと地域に貢献できる事ができるのに、それができない。とても悔しい。」と、悲しそうにつぶやいていた様子がとても印象的であった。

地域の未来への想い

今後の展望として、井仁に根を下ろし、地域の方々と外部の方々との交流を活発化させて、みんなが主役でみんなが楽しめるスペースを作り上げることが夢であると話してくれた。私も地域おこし協力隊であるが、まさに同感である。明鏡止水のような静まった湖面もよいが、流れを作り、いつも活発な雰囲気を作ることも大事だと思っているからだ。今後、井仁の棚田が彼と地域の方々とのセッションによって、どう変わっていくのかとても興味がわいてくる。
この冊子を手にしていただいた皆様も、ぜひ四季折々で変化にとんだ美しい空間を一度体験してほしいと思う。そこには、彼と地域の方々の笑顔、そしてあなたの笑顔が生まれる時間がながれているから。

引き継ぎ引き継がれるもの
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取材したのは

  • 久保恭規(廿日市市地域支援員)
  • 妹尾奏子(広島ノルディックウォーカー)
  • 高木遼平(広島大学)
  • 高橋穂(広島大学)
  • 中溝国久(安芸高田市地域おこし協力隊)
  • 藤井美紗貴(広島大学)
  • 松下沙世(ひろしま「ひと・夢」未来塾)
  • 吉宗五十鈴(世羅高原カメラ女子旅)