地域内の植物に注目
「耕作放棄地や空き家の利活用問題を解決するとともに景観対策をすることで似島を訪れる人にも喜んでもらえるといい。」と話す小貫さんは畑に根を張っていた葛(くず)に注目。
「邪魔なものだがただむしり取るだけではつまらない。使いようによっては良いものになるのでは。」鍬を折りながら葛を収穫し、刻んでミキサーにかけた。真茶色の色が透明になるまで沈殿を繰り返し、手間をかけ葛粉を製作。これを溶かせば体に良い葛湯となる。
また、製作時に残った繊維を使ったハガキ作りにも取り組む。煮出した繊維を紙すきし、乾燥させ作った手作りのはがきはなんとも味わい深い。地域外の紙すき職人を尋ねるなど、勉強はかかさない。似島の商品としてPRし地域活性化につなげていきたい。
地域に根付いていたものに付加価値を
かつては漁も盛んであったが、現在は廃れ、大漁旗も各家に眠る。その大漁旗を引っ張り出し、ヘアバンドなどのアクセサリーにリメイクするという商品化に挑戦。カラフルな大漁旗は、アクセサリーにしてもおしゃれだ。「大漁旗には無事を願う親族の思いが詰まってる。」昔から根付いている大切なものを発信していきたいと話す秋山さん。今後はスカートなどの衣類にも挑戦。地域内外の人が思い出の詰まった大漁旗を身にまとい、生活している姿を想像するのが楽しみとのこと。
癒しを届けたい
試作品ではあるが、石鹸ハーブやオイルを調合した商品開発にも着手。地域内の人にも披露する場を考えているとのこと。「空き家を活用してカフェを開きたい。その人にあったハーブを、自分の畑で摘んで調合出来るのが夢」だそうだ。
成し遂げたいこと
「自分たちにできることは小さな事しかないかもしれない。その小さな事を積み重ね一人でも多くの人に足を運んでもらえるような地域になって欲しい。」似島の事を語る二人は生き生きとしていた。
見知らぬ土地で地域に馴染むまで苦労もある。しかし、二人力を合わせれば地域を変えていくスピートも2倍、感動や嬉しさ、楽しさも2倍。今後の二人の活動に視線が集まる。