第2の家のように過ごしてほしい
廿日市市玖島(くじま)地区。のどかな田園風景と豊かな自然に恵まれたこの地域に、平見さんが古民家を改装して『セカンドハウスYEAH YEAH YEAH』を開いたのは2012年5月。きっかけは古民家鑑定士の資格を持つ友人の紹介だった。「人が日々過ごしていく場所なので自然がある場所がいいと考えていました。セカンドハウスという名前も、古民家の昔ながらの味わいのある空間で『家にいるのと同じように気楽に過ごしてもらいたい』という想いがあったからなんです。」
ひろしゃまvol.7-2
お話をしていただいたのは
廿日市市玖島(くじま)地区。のどかな田園風景と豊かな自然に恵まれたこの地域に、平見さんが古民家を改装して『セカンドハウスYEAH YEAH YEAH』を開いたのは2012年5月。きっかけは古民家鑑定士の資格を持つ友人の紹介だった。「人が日々過ごしていく場所なので自然がある場所がいいと考えていました。セカンドハウスという名前も、古民家の昔ながらの味わいのある空間で『家にいるのと同じように気楽に過ごしてもらいたい』という想いがあったからなんです。」
一般的な介護施設とは異なり決まった過ごし方はない。ここでは利用者のその日の体調や気分に合わせ介護スタッフができることを提案していく。「何もできない、したくない」という方にも、どんなことならやってみようと思うかを考え、一人ひとりに向き合った支援を行っている。「得意なことや好きなことは人それぞれ。大切にしたいものは、利用者さん自身がヤル気をおこすこと。出来た時の達成感が自信につながる。それがリハビリを続ける上での大きな励みになるんです。」
平見さんは以前、総合病院で救急患者が搬送される部署で看護師として働いていた。そこは常に死と隣り合わせの過酷な現場。命を助ける仕事にやりがいを感じる一方で、ジレンマもあった。「大変な思いをしてやっと命が助かったのに、退院をするときになって家に帰れないという患者さんもいるんです。」
理由はこうだ。事故での大けがや、病気などで身体に障害が残ると、退院後の本人の社会復帰が困難になるだけでなく、家族にも介護という新たな問題が発生する。さらに、介護疲れが起因となり身内のトラブルや、介護離職といった深刻な状態へと発展するケースも多い。それを懸念して退院を嫌がる患者が少なくないというのだ…。
介護する家族の負担が少しでも減るように、そして患者本人が引け目を感じることなく自宅で過ごせるように、平見さんはその両方を叶えるためデイサービスの開設を決めた。利用者は朝、決まった時間に送迎車で自宅を出る。昼間は施設で食事や入浴をし、夕方まで他の利用者やスタッフとともに過ごしたあと、家族のもとへ帰る。このように朝起きて外に出て帰る、家から出て人と会う、という規則正しい生活をすることで気持ちに張りがでるという。一方で、家族も介護から少しの間、離れることで、心身にゆとりが生まれる。ここ『YEAH YEAH YEAH』ではだれもがお互いに励まし合いながら、自分が何かの役に立てることを実感し、生きがいを見出している。
平見さんはこう語る。「長生きしている方には長生きしている意味がある。必ずその人にしかない役割があって生かされている。どんなに歳をとっていても、身体が不自由でも、最後までその人らしくいる、ということ。そして『自分は誰かの役に立っている、必要とされている』と感じることが、人が生きるっていうことなんじゃないかな。」