ひろしゃま

尾道の風景に音楽を添えて

ひろしゃまVol.12-2

尾道の風景に音楽を添えて

お話をしていただいたのは

尾道の街の人に小島さんのことを尋ねてみると、「ああ〜小島さんね!いつも頑張ってるよね。」「パワフルですごいよね。」「バババッーとやってきてバババッーとひらめきを置いていって。それが小島さんだから、ま、いいかって思うんですよね。」といった答えが返ってきた。
そんな小島さんの音楽を通じた活動が、尾道の街から里山・里海へ広がっていく様子を紹介しよう。

音楽のステキをみんなに届ける

小島さんは尾道をメイン舞台に、瀬戸田や因島などで「音楽と風景」という企画を主宰している。毎年5月になると、商店街を中心に、尾道の街の至る所に様々な演奏家が集まる。演奏家の周りには音を求めて楽しく歩く人、観光途中に足を止めた人の輪ができ、子どもたちは、音に合わせて踊ったり、かけっこをしたり、自由に楽しむ。
「演奏会というと、まずチケットを買って、ホールのステージに立つ演奏家の演奏を、椅子に腰かけてお行儀よく静かに聴く、ちょっと特別なことですよね。」
ただ、それでは届けられない人がいる。音楽を特別にするのではなく、誰にでも、もっと身近に届けたい。感じてほしい。
こうした想いから、「音楽と風景」に参加する演奏家はジャンルも年齢も多様で、奏でる音色も様々だ。そこには、世代を超えて多くの方に楽しんでもらえるようにと工夫がされているのだ。

育まれてきた音楽をともに楽しむ風土

バイオリニストのご主人と共に、しまなみジュニアオーケストラなど、音楽をより身近に感じてもらえる活動に長年力を注いできた。
「音楽と風景」を始めたきっかけには、これまで音楽の活動を通してお世話になった尾道への感謝の気持ちもあった。それと、「地域の人々に五感で風景を感じてもらえるよう、音楽を添えてみたい」という想いからだった。
これまで何とか開催資金をやり繰りしてきていたが、回数を重ねる毎に、会場となっているお店やお寺から、今年もここを使ってくださいね、とありがたいご協力の声も上がっている。温かい変化が起こってきているのだ。
「共感者も年々増え、一緒に楽しんでもらえる風土ができてきました。やっぱり、続けることって大切だと思います。」

広がっていく、まちと人と音楽のある風景

「『音楽と風景』のような活動が、全国に広がればいいなと思っています。海外に行くと、自然に路上で音楽が奏でられ、風景として記憶に残る。そんなのが日本でも増えれば素敵じゃない?」
そう考える小島さんは、平成28年夏には因島土生地区にて「音楽と風景/カフェめぐりコンサート」というカフェや商店街での街頭演奏を行い話題となった。平成29年春には「音楽と風景㏌瀬戸田」、クラシックのスペシャルな演奏会の前に耕三寺やベルカントホール前の広場にて野外演奏を繰り広げた。
「音楽と風景」は島根県松江市でも開催されている。きっかけは、たまたま尾道ラーメンを食べに来ていた松江の方が、「音楽と風景」に感激していつか松江でも開催したいと話したところ、「来年やればいいじゃない!」とすぐに開催に至った。さすが、小島さんといったところだ。
「その土地土地でやっぱり音が違うんです。その場所に合う音楽ってあるんですよね。」

音楽の力で毎日をちょっと素敵に

とっても笑顔の優しい小島さん。そんな小島さんが愛する尾道には、一年に一度、音楽が添えられ、優しくて豊かな時間が流れる。その瞬間の記憶に、風景と音楽が刻まれる。尾道を思うと音楽が流れ、音楽を思うと尾道を思い出すのだ。
そんな音楽の力で毎日をもうちょっとだけ素敵に、という自分の気持ちを追いかけ、小島さんはいつも忙しくも楽しい日々を送る。秋には、広島市から尾道へ住まいを移し、駅前の商店街に「おのみち音楽館」という、音楽をいつでも身近に届けられる場所を新たに設けた。
今後は未だ音楽が行き渡りにくい地域への音楽のお届けものを考えている。田んぼの中でクラシック、星空と音楽など…。
これからも小島さんのひらめきと、音楽が生み出す、街の新たな風景に注目して欲しい。

※次回の「音楽と風景」は平成30年5月6日(日)開催予定

尾道の風景に音楽を添えて
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取材したのは

  • 岡本泰志(--)
  • 広川藍子(洋服修繕)